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下痢と便秘を繰り返す

下痢と便秘を繰り返す方へ

下痢と便秘を繰り返す方へ下痢・便秘はどちらも、私たちにとって比較的身近な症状です。
暴飲暴食をして下痢になった、水分や食物繊維が不足して便秘になったというご経験は、多くの方がお持ちです。下痢や便秘の多くは、食習慣・生活習慣を見直すことで改善します。しかし、何らかの疾患が原因になっている場合など、下痢・便秘が慢性化することがあります。中でも下痢と便秘を繰り返すというのは、大腸がんに見られる症状の1つです。
長引く・繰り返す症状でお困りの方は、お早目に当院にご相談ください。

便秘から急に腹痛や冷や汗を伴う下痢をする方

「数日間便秘が続いたあと、急にお腹が激しく痛くなり、冷や汗をかきながら下痢になる」という症状を繰り返していませんか?このようなケースは、単なる体質ではなく、腸の過敏な反応や病気が背景にある可能性もあります。

便秘による腸内ガスや便の詰まりが原因で急な反応が起こる

便秘が続くと腸内にガスや便が溜まり、腸の動きが一時的に停滞します。その後、腸が急に動き出したときに激しい収縮が起こり、強い腹痛や冷や汗を伴う下痢になることがあります。

過敏性腸症候群(IBS)の可能性も

便秘と下痢を交互に繰り返す「便秘と下痢型の過敏性腸症候群(IBS-M)」の方によく見られる症状です。精神的ストレスや生活の乱れが引き金になることもあり、検査で異常が見つからないのに症状が続くのが特徴です。

注意が必要なケース

便秘と下痢の繰り返しが続くと、腸の粘膜に負担がかかり、将来的に別の腸疾患を引き起こすこともあります。
以下のような場合は、IBS以外の疾患が隠れている可能性もあるため、医療機関での検査をおすすめします。

  • 下痢に血が混じる
  • 発熱や嘔吐を伴う
  • 夜間も腹痛や下痢で目が覚める
  • 体重が急激に減ってきた
  • 40歳以降で症状が突然出るようになった

下痢と便秘を繰り返す原因

「便秘が続いたと思ったら、今度は急に下痢に…」というサイクルを繰り返す方は少なくありません。このような症状は、一時的な体調不良ではなく、さまざまな要因が影響して腸の動きが不安定になっているサインかもしれません。

腸の動き(ぜん動運動)の乱れ

腸はリズムよく内容物を運ぶ「ぜん動運動(蠕動運動)」によって、便を送り出しています。この動きが過剰になりすぎると下痢に、逆に弱くなると便秘になります。腸の動きが安定しないことで、下痢と便秘を交互に繰り返すことがあります。

食生活の乱れ

脂っこい食事や刺激物、極端な食事制限、食物繊維の不足や摂りすぎなど、食習慣の偏りも腸の不調につながります。便秘を放置した後に一気に食物繊維をとると、下痢になることもあります。

睡眠不足や運動不足

睡眠や適度な運動は、自律神経や腸の動きにも影響します。夜更かしや運動不足が続くと、腸のリズムが崩れやすくなります。

ホルモンバランスの影響

女性では、生理周期や更年期に伴うホルモンの変動によって、便秘と下痢を交互に繰り返すことがあります。特に黄体ホルモンの影響で便秘が強くなることがあります。

年齢や体質による変化

年齢とともに腸の動きが鈍くなったり、腸内の善玉菌が減少したりすることで、便通のパターンが不安定になることがあります。体質的に腸が敏感な方も、些細なきっかけで下痢・便秘を繰り返す傾向があります。

ストレスで下痢と便秘を繰り返すのはなぜ?

ストレスで下痢と便秘を繰り返すのはなぜ?ストレスが原因となり、腹痛や下痢、便秘が引き起こされる疾患としては、過敏性腸症候群が挙げられます。
過敏性腸症候群の発症や悪化には、ストレスが大きく影響しているものと考えられます。過敏性腸症候群は大きく、下痢型・便秘型・交代型などに分類され、このうち交代型では下痢と便秘が交互に訪れます。
特にストレスがかかった時に症状が強く出るという場合には、過敏性腸症候群を疑い、お早目にご相談ください。

過敏性腸症候群について

下痢と便秘を繰り返す病気

考えられる病気としては、以下のようなものが挙げられます。

大腸がん

初期には無症状ですが、進行すると下痢や便秘が単独で、あるいは交互に繰り返すことがあります。その他の症状としては、血便、便が細くなる、腹痛、腹部膨満感などが挙げられます。便潜血検査で陽性であった場合も、大腸がんの可能性を考え、精密検査として大腸カメラ検査を受ける必要があります。

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過敏性腸症候群

ストレスなどを原因として腸の蠕動運動が過度に活発になる、あるいは抑制されるなどして、腹痛や下痢・便秘といった症状が引き起こされます。下痢型、便秘型、交代型などに分けられ、交代型では下痢と便秘が交互に出現します。

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胆汁性下痢

胆汁性下痢とは、胆汁酸という消化液が腸内に過剰に流れ込み、大腸を刺激することで下痢を引き起こす病気です。小腸での胆汁酸の吸収障害や、胆のう摘出後などが原因となります。主に水様性の下痢がみられますが、腸の動きが不安定になることで便秘を伴う場合もあり、下痢と便秘を繰り返す方もいます。過敏性腸症候群と似た症状を示すため、見逃されやすい疾患です。

潰瘍性大腸炎

免疫の異常によって大腸粘膜で炎症が起こり、下痢や便秘、血便などの症状が見られます。はっきりとした原因は解明されておらず、クローン病と共に難病の指定を受けています。

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その他

その他、感染性の胃腸炎、食物アレルギー、糖尿病、甲状腺疾患、パーキンソン病、うつ病、摂食障害などが原因になることもあります。

下痢と便秘の繰り返しを治したい方へ

下痢と便秘の繰り返しを治したい方へ原因となる疾患が見つかった場合には、その各疾患に応じた治療を行います。
原因疾患が見つからず、患者様の生活習慣に問題があると思われる場合には、食事療法・運動療法などを行い、下痢・便秘の症状の改善を図ります。生活習慣における問題、あるいは下痢・便秘といった症状を放置していると、生活習慣病や大腸疾患・痔などの発症につながることもあるため、下痢・便秘といった便通異常は原因に関係なくしっかりと治すことが大切になります。
丁寧に問診・診察をした上で、大腸カメラ検査をはじめとする各種検査を行い、お一人おひとりに合った適切な治療をご提案いたしますので、どうぞ安心してご相談ください。

大腸カメラについて
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