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食道がん

このような症状はございませんか?

  • 食事のとき、なんとなく食べ物がつかえる感じがする
  • 最近、食べ物が飲み込みにくくなってきた
  • 食後に胸の奥がしみるような痛みを感じる
  • 声がかすれることが増えた
  • 体重が急に減ってきた
  • 慢性的な咳や、のどの違和感が続いている

これらの症状は、食道がんの初期段階や進行によって見られることがあります。
「年齢的に仕方ないかも」「疲れのせいかも」と思わず、気になる症状が続くようであれば、早めにご相談ください。

食道がんとは

食道がんとは食道がんとは、口・喉と胃をつなぐ長さ約25cmの食道において、内側の扁平上皮に生じるがんです。主な原因として、飲酒・喫煙が挙げられます。
男性であれば60代から、女性であれば70代から患者数が増加します。心臓や大動脈、肺、気管といった重要な臓器に囲まれており短期間でそれらの臓器に広がりやすいこと、食道壁に血管・リンパ管が多く早期から多臓器転移を起こしやすいことから、早期発見・早期治療の重要性がより高いがんと言えます。

食道がんの原因

食道がんの原因主な原因は、飲酒・喫煙です。特に日本人に起こりやすい扁平上皮がんとの関連が深いと言われています。
飲酒をした際には体内で発がん性物質(アセトアルデヒド)が発生し、これを遺伝的に代謝しにくい人(お酒を飲んですぐに顔が赤くなる人)は、食道がんのリスクが高くなります。
その他、栄養の不足・偏り、ビタミン不足なども、食道がんのリスクを高めるものと考えられます。

食道がんになりやすい人・リスク因子

以下のような人は、そうでない人よりも食道がんになりやすいと言えます。無症状であっても、定期的な胃カメラ検査を受けることをおすすめします。

  • 中高年
  • 飲酒や喫煙の習慣がある人(特に両方の習慣がある人)
  • お酒を飲んだ時にすぐに顔が赤くなる人
  • バレット食道や食道アカラシア、腐食性食道炎のある人
  • 頭頚部がんの既往歴がある人

食道がんの初期症状と進行による変化

ほとんどの場合、初期には自覚症状がありません。
一般的に、進行してまず現れるのが、飲食の際の胸の違和感、チクチク痛むという症状が現れます。ただ、これらは一時的に消えることがあります。
さらに進行すると、食べ物がつかえる感じがし、唾を飲み込むのにも苦労するようになります。食事量の減少に伴い、体重減少なども見られます。
周囲の臓器へと浸潤してからは、胸の奥・背中の痛み、咳・声がれなどの症状も現れます。

食道がんの検査・診断

食道がんを診断するための検査

胃カメラ検査

胃カメラ検査では、食道・胃・十二指腸の粘膜を観察します。
疑わしい組織があれば、内視鏡で組織を採取し(生検)、病理検査を行えば、確定診断ができます。
バリウム検査が食道がんの発見につながることもありますが、確定診断のためにはやはり生検・病理検査ができる胃カメラ検査が必要になります。また、バリウム検査は初期の食道がんの発見が難しいことがあります。

胃カメラについて
詳しくはこちら

食道がんの進行度を知るための検査

胃カメラ検査

胃カメラ検査では、がんの場所・大きさに加えて、広がりや深さを表面の性状などを把握することが可能です。

胃カメラについて
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超音波内視鏡検査

内視鏡の先端から超音波を出し、食道がんの深さ、周囲の臓器への浸潤・転移などを調べることができます。

CT検査・MRI検査

心臓・大動脈・気管・肺、リンパ節・肝臓などへの転移の有無を調べることができます。

超音波検査

腹部や頚部に対して行い、肝臓、頸部リンパ節などへの転移の有無を調べることができます。

PET検査

がん細胞は、正常細胞よりもブドウ糖を多く取り込みます。PET検査ではこの性質を利用します。注射した放射性ブドウ糖の分泌を撮影することで、がん細胞の広がりを調べます。

食道がんの治療

早期の食道がんであれば、内視鏡的切除が可能です。
進行・ステージに応じて、薬物療法、手術、抗がん剤治療、放射線治療などが、単独または組み合わせて実施されます。

食道がん患者の生存率

食道がんは、初期には自覚症状が少なく、発見が遅れやすいがんの一つです。そのため、生存率はがんの進行度(ステージ)によって大きく異なります。ここでは、最新の統計をもとに、ステージ別の生存率や、治療による予後改善の可能性についてご紹介します。

ステージ別の5年生存率

食道がんの生存率に最も大きく影響するのは、診断時のステージ(病期)です。がんの進行度合いは、周囲への広がりやリンパ節転移、遠隔転移の有無によって分類されます。ステージが低いほど、生存率は高くなります。
以下は、一般的なステージ別の5年相対生存率の目安です。

ステージI期:70~80%台

がんが食道の粘膜内または粘膜下層にとどまっており、リンパ節転移がない状態です。
早期発見できれば、治療による改善が大きく期待できます。

ステージII期:50%台

がんが食道壁の筋肉層まで達している、またはリンパ節転移が見られる状態です。

ステージIII期:20~30%台

がんが食道壁を越えて周囲に広がっている、またはリンパ節転移が広範囲に及んでいる状態です。

ステージIV期:数%~10%台

がんが他の臓器(肺、肝臓など)に遠隔転移している状態です。
治療は困難になりますが、症状緩和や延命を目指した治療が行われます。

※数値は治療法や状態によって変動します。

早期発見が重要です

早期発見が重要です食道がんは早期であればあるほど、内視鏡治療など身体への負担が少ない治療で完治が期待できます。特に、健康診断や人間ドックで偶然発見されたステージ0やⅠの食道がんは、治療成績が非常に良好です。
食道がんは進行が早い一方で、早期発見により高い治癒率が期待できるがんです。喉のつかえ感、胸やけ、体重減少などの症状がある方や、喫煙・飲酒歴のある方は、早めの検査をおすすめします。
胃カメラ検査は、早期がんの発見に非常に有効です。

胃カメラについて
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